保険営業マンが事業承継に取り組む時、「節税できるから生命保険に入ってください」だけで保険契約がもらえる時代ではないのです。

では事業承継における本質的な問題とはどのようなものでしょうか。

 

事業承継を考える際に、大きく4つの問題があります。

 

が①「財務問題」、②「後継者問題」、③「自社株問題」、④「相続問題」であり、特に重要な問題ととらえています。あとの2つは「連帯保証債務問題」、「納税資金問題」です。

 

 

  • 「財務問題」は、もっとも重要な問題です。これは企業にとって事業承継だけでなく、営業活動全体を通じて課題となるものですから、この問題の解消を提供できる味方を経営者はいつも求めています。財務問題の解決とは、すなわち赤字の解消、黒字化です。

 

  • 「後継者問題」は、後継者がいる場合、後継者が継ぎたくなるような会社にしていくことが重要です。しかしすでに述べたように、後継者に安心して継いでもらうために財務の健全化は不可欠です。そのために黒字の最大化をしていくことがポイントになるでしょう。

もう1点、後継者問題として注意すべきなのは、後継者の育成です。自社の強みを生かした財務経営ができれば会社は強くなっていきます。戦略財務経営ができるように、私たちが後継者の方を教育指導して差し上げればいいと思います。例えば後継者に決算書の見方を指導することは財務がわかる経営者育成につながり、後継者の方とも深い信頼関係を築くことができるでしょう。

 

  • 「自社株問題」は、平成2年以前は、旧商法によって7人の発起人が必要であったため、特に昔の会社に多い名義株によって問題が生じます。

名義株とは、地域の名士に会社の株を持ってもらうというもので、自社の信用度を高めるためにいろいろな人に株を持ってもらうことが一般的でした。その株主が高齢化して相続が発生すると、経営者の知らない株主がどんどん増えていくことになります。自社株を把握できなくなってしまうほかに、反対株主というリスクも生じます。

これを解決するには、会社や後継者が株を買い取ればいいのです。しかしそこで重要なのは買い取る原資があるかどうかということになります。会社に原資があるのなら後継者が役員報酬を上げて買い取ることも可能ですし、会社に内部留保すなわち現金があるのであれば会社が買い取ることもできます。

ただ、株の評価の複雑さには注意が必要です。誰が受け取るかによって株の価格は変わります。それは株の価値を算出する方法が、誰がどういう状況でもらうかによって変化するからです。事業承継において株の価値は「時価」ということになっているのですが、客観的な価値をつけにくいという問題があるのです。1株の価値が10倍くらい変わるケースもあります。これがトラブルに発展する原因になりやすいところです。

上場企業であれば、株式市場によって売り手、買い手がつくことで客観的価値がわかりますが、非上場である中小企業はこうした客観的な価値がつきにくいのです。しかし売買する時は「時価でするように」と決められているので、専門家の間でもデリケートな問題として扱われています。

 

  • 「相続問題」は、相続対策における遺産や財産の分割問題です。会社という財産を、相続する息子や妻に分割して与えることで会社の経営力が低下してしまうという深刻な問題です。そこで、私たちが出来るもっとも基本的な貢献である、生命保険に入っていただくことが非常に有効な手段となります。生命保険に入ることで財産分割をスムーズに行える可能性が高まります。

 

多くの経営者は事業承継の重要性は認識していますが、深くまで考えていません。本質的な問題を浮き彫りにして、その問題の深さに経営者が気づいた時、思うことは「どうやってそれを解決すればいいか」です。

 

そこで私たちが「このような解決策があります」と提案することができれば、経営者と信頼関係を構築できるのです。