社長の見込客がいない場合、何か行動を起こさなければなりません。いろいろな方法がありますが、その1つが飛び込み営業です。テレアポと同じくらい古典的な営業法の1つですが、軽視していい理由はありません。


 まず、場所です。住宅街にはふつう企業はありませんから、企業が集まるところで飛び込みをするほうがいいのです。個人宅の飛び込み営業と違って企業の飛び込みで居留守を使われることはまずありません。
 受付で堂々と名乗り、社長にお目にかかりたいと伝えればいいのですが、社長目当ての営業が大勢おしかける企業の場合、そこでストップをかけられてしまうことがあります。突破するためにはいくつかの方法があります。

 よくあるのは、何度も訪ねて、受付の同情を得ることができれば、社長に「また来ましたよ。会ってあげてはいかがですか」と助け船を出してくれることがあります。あるいは、受付に「これは社長に伝えなければ」と思わせる何かを差し出すことです。いずれにしても、知恵が求められます。

 でも、タイミングがよければ、社長が受付の辺りにいることがあります。玄関先で鉢合わせをする可能性だってあります。会社を訪ねるときはどこで社長に出会うことができるか分からないので、気を張って過ごすほうがいいでしょう。

 そして、繰り返しますが社長が「ぜひ知りたい」と思う何かを準備して差し出すのです。会社の飛び込み営業は社長に出会う可能性があるだけに、準備は十分やっておくべきです。臨機応変にできる自信があるのならいいのですが、そうではない人は例えばトークスクリプトを準備して暗記する。これくらいは最低限やっておくべきでしょう。電話の営業でさえテレアポのスクリプトを用意するほうがいいのですから、会社への飛び込み営業なら飛び込みの台本の準備をしておくのが当たり前です。

 電話のテレアポのスクリプトと同じように、セリフも事前にしっかり音読して暗記しておくことをお勧めします。飛び込み営業であっても自分の言葉がしっかりできれば自信になりますし、その自信は相手に伝わります。社長に会ったり受付に行ったりしたら誰でも緊張するものです。だからといって「えーっとえーっと」ではサマになりません。